東京暮らし。

むかし東京近郊で暮らしていたときがある。

 

千葉県市川市に会社がマンションを借り上げていて、ルームシェアでそこに住んだ。

会社は総武線飯田橋まで。家から出て徒歩の時間をいれて30分。

はじめての都会に見るものめずらしく興奮した。

 

だけど会社の仕事は自分にはまったく合わなかった。

経理という数字をにらめっこして、給与計算なんかをする部門。

まったく興味もわかずに典型的なダメ社員。

 

直属の上司とも合わなかった。自分にも大きく問題があったが、

相性も悪かった。

それでもなんとかしようとしてくれたのだと

いまは思う。

会社で定時が過ぎてからこんこんと説教されて、

そのあと帰り道が同じだから(会社の寮みたいなマンションだから)

帰りに飲みに連れていかれる。

自分は面白いことをいうタイプでもないし、飲みの席で先輩に気に入られる

ようなこともできない。

結局飲み方から人付き合いまでまた説教を受け、

当時は酒も飲めなかったから、吐きそうな(実際吐く)酒を飲んで

夜10時も過ぎて、死ぬような気持ちで自室に戻っていた。

 

いま思っても鬱になりそうな生活をしながら、

それでも当時は若く22、3歳の頃だから

土日は打って変わって自由に面白く、

友達もいなかったが、無意味に新宿や渋谷をうろついては

こんな世界もあるのだと

本当にわくわくしながら過ごしていた。

東京は楽しい。

だけど、仕事も面白くなく、自分には向いてない気がする。

このままどうなっていくのだろうと、ときどき思いながら

過ごしていた。

2000年の話。あれから18年も経ったのか…